英会話を深めるフォローアップ質問の作り方
英会話が「Nice.」で止まるときは、相手の返事から次の質問を作ろう。一つの答えから広げる英語例、質問攻めにしない返し方、文法の直し方、答えを隠した練習を紹介します。
英会話を深めるフォローアップ質問は、相手の返事から具体的な情報を一つ拾い、その先を一つ聞くと作れます。新しい話題を探す前に、今の答えをもう少し聞いてみましょう。
Nice. までは言えた。そのあと、頭の中で質問集をめくっていませんか。趣味、仕事、好きな食べ物……。でも、次の材料は目の前の返事にあります。
たとえば、週末の話で相手がこう答えたとします。この記事の会話と練習例は、説明のために作ったオリジナルです。
相手:I tried a new hiking route on Saturday. It was harder than I expected.
土曜日に新しいハイキングコースを歩いたんだ。思ったより大変だった。
あなた:What was the hardest part?
何が一番大変だった?
拾ったのは「思ったより大変だった」という部分。フォローアップ質問は、相手が今話した内容を受けて、続きを聞く質問です。長く立派な英文にする必要はありません。
返事から「一つ拾って、一つ聞く」
このページでは、練習の合言葉を「一つ拾って、一つ聞く」にします。研究で効果が実証された独自メソッドではなく、質問を組み立てやすくするための練習用の考え方です。
まず、返事の中から気になった情報を選びます。さっきの例なら「新しいコース」「土曜日」「思ったより大変」のどれでも出発点になります。次に、何をもう少し知りたいのかを決めます。具体的な出来事なのか、選んだ理由なのか、感想なのか。意味が分からないなら、確認が先です。
ここで突然 What's your favorite food?(好きな食べ物は?)と聞いても、文法の間違いではありません。ただ、ハイキングへのつながりが示されないまま別の話に移ります。話を深めたい場面では、いったん今の返事に残ってみましょう。
British Councilの会話を続ける授業案でも、質問の種類と、交代で話す練習が扱われています。ここではそれを、実際の返事から質問を選ぶ練習につなげます。
一つの返事から作る、四つの質問
次の四つは、同じハイキングの返事から分かれる道です。全部続けて聞くのではなく、自分が本当に知りたい一つを選んでください。
Original practice example
What was the hardest part?
「大変だった」を、具体的な出来事へ広げる質問です。the hardest part は「一番大変だった部分」。返事がまだざっくりしているときに、その中身を聞けます。
相手が旅行、試験、引っ越しなどを「大変だった」と話した場面で使います。まだ大変だったとは言っていない相手に、苦労があったと決めつけて使う必要はありません。
意味:何が一番大変だった?
「新しい仕事が大変だった」という返事を想像して、この質問を声に出してみましょう。
Original practice example
How did you choose the route?
「新しいコース」を拾い、どうやって選んだのかを聞きます。choose は「選ぶ」。How did you choose ...? の後ろを変えると、選んだ経緯を聞けます。
レストラン、旅行先、習い事など、相手が自分で選んだことについて使います。行き先を職場に指定された話なら、本人が選んだと決めつけないようにしましょう。
意味:そのコースはどうやって選んだの?
レストランの話なら the route を the restaurant に変えて質問してください。
Original practice example
Would you try that route again?
大変だった経験を、もう一度やりたいかという感想へつなげます。Yes/Noで答えられる形でも、直前の話をきちんと受けています。長く答えてもらえる保証はありませんが、短い質問だから失敗というわけでもありません。
初めての体験や、少し大変だった挑戦について、相手の今の気持ちを聞く場面で使えます。
意味:そのコース、また歩いてみたい?
相手が Maybe, but not in summer.(たぶんね。でも夏はやめておく)と答えたら、どの部分を次に拾いますか。
Original practice example
When you say harder, do you mean more tiring?
When you say ..., do you mean ...? は「……というのは、……という意味?」。ここでは tiring(疲れる)という意味なのかを、決めつけず確認します。
単語は聞こえたけれど、相手が何を指しているか分からない場面に。道が分かりづらかったのか、体力的に大変だったのかが曖昧なら、先に確認できます。
意味:もっと大変だったというのは、もっと疲れたということ?
仕事が busy だったという返事に、「会議が多かったということ?」と確認してみましょう。
ここで小さな練習です。最初の返事の on Saturday を拾い、上の四つとは違う質問を一つ作ってください。日曜日にも歩いたのか、土曜によく出かけるのか。聞きたいことを決めてから英語にします。
土曜日という情報から作る質問の一例を見る
Do you usually go hiking on Saturdays?
土曜日はよくハイキングに行くの?
on Saturday という一回の出来事から、普段の過ごし方へ広げた質問です。別の方向として Did you go hiking on Sunday too?(日曜日もハイキングに行ったの?)も作れます。どちらも、相手の返事を聞いてから次へ進みましょう。
質問攻めにしない「反応+自分の一言」
質問を作れるようになると、今度は続けて聞きたくなります。
Where did you go? Who did you go with? How long did it take?
「どこへ? 誰と? 何時間?」。どれも文法的には正しい質問です。ただ、一度に並べると、相手はどれから答えるか選ぶことになります。会話をしたかったのに、いつの間にか入力フォーム。
練習では、返事への反応を一つ入れ、必要なら自分の短い経験を添えてから、質問を一つにしてみましょう。毎回すべてを入れる決まりではありません。
相手:The steps near the top were really steep.
頂上近くの階段がすごく急だったんだ。
あなた:That sounds tiring. I usually stick to short walks. How long did the hike take?
それは疲れそう。私はいつも短い散歩くらいなんだ。ハイキングは何時間かかったの?
相手:About three hours, but we stopped a lot.
三時間くらい。でも、何度も休んだよ。
stick to short walks は、ここでは「短い散歩にしておく」。自分には当てはまらなければ、その一文は省いて大丈夫です。共通点を作るために、経験まで作る必要はありません。
反応は内容に合わせます。大変だった話に、何でも Great!(いいね!)では、伝えたい気持ちとずれることがあります。British Councilの「Showing interest」では、話の内容に合わせた驚きや気遣いの表現を、会話と音声で確認できます。
文法ミスと「場面次第」を分けよう
通じなかった原因が文法なのか、意味なのか、聞き方なのか。ここを混ぜないと、直す場所が見えます。
文法を直す:What did you enjoyed?
分類:標準的な疑問文としては文法の誤り。「何を楽しんだの?」と言いたいのだろう、と推測してもらえるかもしれませんが、did の後は enjoyed ではなく enjoy です。
自然な形は What did you enjoy?。一番楽しかったことなら What did you enjoy most? と聞けます。British Councilの「Question forms」で、過去の疑問文の形を確認できます。
ただし、すべての過去の質問に did を入れるわけではありません。What made it difficult?(何がそれを難しくしたの?)は、what が「何が」に当たる主語なので、この形のままで使えます。同じ文法解説でも、こうした主語を尋ねる質問は分けて説明されています。
意味を選ぶ:What do you like about it?
分類:文法的には正しい。尋ねる時間や意味が違う。これは「それのどんなところが好き?」と、今の好みを尋ねる質問です。相手が続けている趣味なら自然です。
昨日のハイキングで気に入ったところを聞きたかったなら、What did you like about the hike? のほうが、その一回の経験を明確に尋ねられます。現在形を見つけたら必ず直す、ではありません。
場面を見る:Why?
分類:文法的には正しい。受け取られ方は場面次第。意味は「なぜ?」。理由を知りたいだけでも、関係性や言い方によっては、理由の説明を強く求めているように聞こえる可能性があります。親しい相手との短いやり取りなら、そのまま自然なこともあります。
たとえば、相手がそのコースを選んだ話なら、What made you choose that route?(そのコースを選んだきっかけは?)と、聞きたい点を具体的にする手もあります。長くすれば必ず丁寧になるわけではありません。
語の組み合わせを選ぶ:Can I make a question?
分類:相手に「質問していい?」と尋ねる言い方としては不自然。make では「質問文を作る」という意図に取られる可能性があります。発言して質問したいなら、Can I ask a question? が自然です。教材用に問題を作る話なら「作る」という意味自体は合いますが、write a question など、作業を具体的に言えます。
なお、親しい相手に毎回「質問していい?」と前置きする必要はありません。少し慎重に聞きたい場面なら、Could I ask a little more about that?(それについて、もう少し聞いてもいいですか?)も使えます。前置きは、どんな内容でも聞いてよい許可証ではありません。
聞き取れないとき、これ以上聞かないとき
返事の意味が曖昧なまま、もっと深い質問を作ろうとすると苦しくなります。まず確認して大丈夫です。British Councilの聞き返し・説明の例でも、分からないときは相手に繰り返しや説明を求めることを勧めています。
音が聞こえなかったなら、Sorry, could you repeat the part about the route?(ごめん、コースのところをもう一度言ってもらえる?)。言葉の意味が分からないなら、先ほどの When you say ..., do you mean ...? を使う。聞こえなかったのか、意味が取れなかったのかで選びましょう。
一方、相手が I'd rather not talk about it.(そのことは話したくない)と言ったら、質問を工夫して突破する場面ではありません。Of course. No need to explain.(もちろん。説明しなくて大丈夫)と受け止めます。
単に返事が短いだけなら、それだけで「話したくない」と決めつけないこと。練習では、自分も一言話してみるか、負担の小さそうな質問を一つ試し、それでも広がらなければ深掘りをやめる、くらいで十分です。相手の心の中まで採点する必要はありません。
分岐練習:この返事に、どう返す?
それぞれ、拾う言葉を決めて、英語の返しを声に出してから回答例を開いてください。答えは一つではありません。「相手が言ったこととつながっているか」で比べます。
通勤の話:短い質問でもつながる?
I started cycling to work last week. The traffic is a bit stressful.
「先週から自転車通勤を始めたんだ。車の行き来が、ちょっとストレスで。」車の行き来へのストレスを受けて、質問を一つ作ってみましょう。Yes/Noで答えられる質問でも構いません。
通勤の話への回答例と、つながりを確認する
That sounds stressful. Is there a quieter route you could take?
それはストレスだね。もっと車の少ない道はある?
traffic を拾い、別の道という選択肢を尋ねています。Yes/Noの質問でも、今の話を受けています。ただし、元の返事だけでは何がストレスなのかまでは分かりません。すぐに提案へ進まずに聞くなら、What makes the traffic stressful?(車の行き来の、どんなところがストレスなの?)も使えます。
映画の話:分かったふりをしない
The ending was strange.
「結末が変だった。」良い意味なのか、納得できなかったのか分かりません。勝手に「つまらなかったんだね」と決めず、どこがどう変だったのかを聞いてください。
映画の感想を具体的にする回答例を見る
What was strange about it?
どんなところが変だったの?
拾った言葉は strange。「変」の中身を相手に説明してもらいます。Do you mean it was confusing?(分かりにくかったということ?)と自分の理解を確認する方法もありますが、相手が違う意味だと答えられる余地を残しましょう。
転職の話:あえて質問しない
I changed jobs recently, but I'd rather not discuss the reason.
「最近転職したんだけど、理由は話したくないんだ。」今回は、理由を聞かずに返してください。
相手の境界線を尊重する回答例を見る
Of course. No need to explain.
もちろん。説明しなくて大丈夫。
これは質問ではありませんが、この場面ではそれが適切な選択です。Why not?(どうして話したくないの?)とさらに理由を要求しないこと。会話を深める練習は、相手が出した境界線を越える練習ではありません。
動画の返事を使って、自分の質問を作る
一人で練習するなら、内容が分かる短い英語の会話を選びます。相手が質問に答えたところで止め、その返事の中から一つ拾って、自分なら何を聞くか声に出してください。思いつかなければ返事を聞き直し、「出来事」「理由」「感想」「確認」のどの方向へ進むか決めます。
そのあと続きを見ても、登場人物と同じ質問を言えたかどうかで採点しなくて大丈夫。自分の質問が直前の返事に合っているかを見ます。元の会話にも、自分の質問にも、それぞれの進み方があります。
対応する字幕付き動画では、FunFluenの文単位の移動や自動停止を使うと、返事を聞き直し、質問を考える時間を取りやすくなります。質問そのものは自分で作る練習で、適切さを自動判定するという意味ではありません。利用できる機能は動画や字幕の対応状況によります。
FunFluenの拡張機能の説明を確認する。リンク先はインストール前に機能を確認するページです。このページの練習がそのまま開くわけではありません。
次の会話では、一つだけ拾おう
次に Nice. で止まりそうになったら、新しい話題を探す前に、相手の最後の返事を思い出してください。「大変だった」「初めてだった」「ちょっと変だった」。そのどれか一つに、もう少し聞きたいことはありませんか。
質問をたくさん持っている人より、今の答えをちゃんと受け取る人を目指す。まずは一つ拾って、一つ聞く。そして、次の返事を待ちましょう。