英語のスモールトークを深い会話につなげる
天気や週末の話で終わる英会話に、「自分にとっての意味」を少し足そう。小さな本音の伝え方、決めつけない聞き方、踏み込みすぎたときの直し方を、英語例と会話の書き換え練習で学べます。
スモールトークを深い会話につなげるには、出来事だけでなく「自分には何がよかったのか」を少し話し、相手の経験や考えも聞いてみましょう。話題を重くするより、同じ話に小さな本音を足してみます。
仕事も週末も聞いた。プロフィールは埋まるのに、その人のことはまだ分からない。そんな会話を、たとえばこう変えられます。この記事の会話と練習例は、すべて説明のために作ったオリジナルです。
A:I spent Sunday fixing my old bike. I like making things last.
日曜日は古い自転車を直していたんだ。ものを長く使うのが好きでね。
B:I can relate to that. I've kept the same jacket for years. Does the bike have a story behind it?
その気持ち、分かる。私も同じジャケットを何年も持っているよ。その自転車には何か思い出があるの?
A:Not really. I just enjoy fixing things myself.
特にはないかな。ただ、自分でものを直すのが楽しいんだ。
make things last は「ものを長持ちさせる」、relate to that は「その気持ちや考えに共感できる」。ここでは、思い出の品だと決めつけず、質問として聞いています。相手の答えは予想と違いました。それでも、「自分で直すことが楽しい人なんだ」と一つ分かりました。
「深い話」は、重い話でなくていい
このページで目指すのは、出来事に「自分にとっての意味」を足す会話です。秘密やつらい過去をたくさん話すことではありません。この考え方を、英語の練習に使ってみましょう。
| 出来事・習慣 | 本人にとっての意味 |
|---|---|
| I cooked on Sunday. 日曜日に料理をした。 | I like making something for other people. 誰かのために何かを作るのが好きなんだ。 |
| I go for walks after work. 仕事のあとに散歩する。 | It's the part of the day when I don't have to rush. 一日の中で、急がなくていい時間なんだ。 |
| I joined a drawing class. 絵の教室に入った。 | I wanted to try something without worrying about being good at it. 上手かどうかを気にせず、何かやってみたかったんだ。 |
もちろん、「何を作ったの?」「どこを歩くの?」もいい質問です。事実を聞く雑談が悪いわけではありません。ただ、相手が「急がなくていい時間なんだ」と話したら、次も場所の情報だけを集めるのではなく、その人が好きな時間の過ごし方に少し目を向けてみます。
小さな練習:最近した普通のことを一つ選び、「何をしたか」と「自分には何がよかったか」を英語で言ってください。誰にも話したくないことを選ぶ必要はありません。
出来事に一文足した例を見る
I went to the library yesterday. I like having a quiet place where nobody needs anything from me.
「昨日、図書館に行ったんだ。誰かに何かを頼まれることのない、静かな場所があるといいんだよね。」これは一人の話し手の感じ方です。あなたなら「新しい本を偶然見つけるのが好き」でも構いません。自分に当てはまる意味を足しましょう。
小さな本音を出し、相手の見方を聞く
自分の話を少しすることを「自己開示」と呼びますが、ここでは「自分はこう感じた」を一文添えるくらいからで十分です。大きな告白を準備しなくて大丈夫。
Original practice example
What I like about cooking is that I can make something for other people.
What I like about ... is that ... は「……の好きなところは、……ということ」。好きな活動の名前だけでなく、自分がそこに感じている良さを伝えます。
料理、散歩、ゲーム、語学など、相手と趣味の話をしているときに。長く感じるなら、I like cooking because I can make something for other people. と二つの内容を because(なぜなら)でつないでも自然です。
意味:料理の好きなところは、誰かのために何かを作れることなんだ。
自分が実際に好きな活動と、その理由に入れ替えて言ってください。
次は相手の番です。たとえば相手も料理が好きだと言ったら、自分と同じ理由だと決めずに聞きます。
Original practice example
What do you enjoy most about it?
好きな活動の「どこがいいのか」を相手に選んでもらう質問です。ここでの it は、直前に話していた料理などを指します。指すものが曖昧なら、活動名をそのまま言いましょう。
相手がその活動を楽しんでいると話した場面に。まだ好きかどうか分からないなら、How has it been so far?(今のところ、やってみてどう?)のように、良い感想に限定しない聞き方もできます。
意味:そのどんなところが一番楽しいの?
相手が「一人で集中できるところ」と答えたら、あなたは同じですか、違いますか。短い自分の感想を考えてください。
British Councilの「Keeping a conversation going」では、出身地の話から「海が恋しい」という気持ちへ進み、もう一人が関連する自分の経験を話す会話を聞けます。質問だけでなく、自分の一言を置く場面にも注目してみてください。
「分かったつもり」を、確認に変える
相手が「仲間と料理するのが好き」と言っても、一緒にいる時間が好きなのか、手の込んだものを作れるのが好きなのかは、まだ分かりません。自分の受け取り方を、答えではなく確認として出せます。
Original practice example
Do you mean you enjoy the company more than the cooking?
Do you mean ...? は「……という意味?」。ここでの company は会社ではなく、「誰かと一緒にいること」。料理そのものより、一緒にいる時間が楽しいという理解で合っているかを聞いています。
相手が話した意味を、自分の言葉で確かめるときに。比較まで言い切れないなら、What do you like about cooking together?(一緒に料理する、どんなところが好き?)と、先に説明を聞く形に戻せます。
意味:料理をすることより、みんなと一緒にいることが楽しい、ということ?
相手に Not exactly.(ちょっと違うかな)と言われたら、下のやり取りを参考に続きを受け止めてください。
相手:Not exactly. We can try recipes that are too much work for one person.
ちょっと違うかな。一人では手間がかかりすぎるレシピも試せるんだ。
あなた:Ah, I see. You can make things you wouldn't try on your own.
ああ、なるほど。一人では挑戦しないようなものを作れるんだね。
予想を外しても、相手の説明を受けて理解を直せばいい。「でも、本当は寂しいんでしょ」と、相手より相手の気持ちを知っている役にならないことです。
British Councilの「Checking understanding」でも、聞き返しや Do you mean ...? を使った確認を練習できます。教材は物や指示の確認ですが、上の会話では、その形を相手の説明の意味を確かめる練習に使っています。
共通点がなくても、二人の話にする
相手がみんなで料理するのが好きでも、あなたは一人で作るほうが好きかもしれません。そこで無理に Me too!(私も!)と合わせる必要はありません。
I usually prefer cooking on my own, so that's interesting to hear. What have you made together?
「私は普段、一人で料理するほうが好きだから、その話は面白いな。みんなでは何を作ったの?」違いを短く話してから、相手の経験へ戻しています。意見を一致させることと、相手を理解しようとすることは別です。
友人同士なら What's that like for you?(あなたにとって、それはどんな感じ?)と短く聞けます。経験を具体的に指し、これまでの様子を聞くなら What has that experience been like for you?(その経験を、これまでどのように感じてきましたか?)とも言えます。初対面などで少し慎重に聞きたいなら Would you be comfortable talking about it?(そのこと、話しても大丈夫ですか?)と確認する方法もあります。長く言えば必ず丁寧になるわけではなく、相手には話さない選択もあります。
自分も話すときは、まず関連する一文を目安にしてみましょう。相手が続きを聞いてきたら広げればいい。料理の話から自分の半生まで一気に公開すると、今度は相手の出番がなくなります。
踏み込みすぎたら、質問を引っ込める
たとえば、引っ越した理由を詳しく聞いたあと、相手が話しづらそうにした場面。表情だけで本心を断定する必要はありませんが、質問を取り下げることはできます。
Original practice example
Sorry, that was a personal question. You don't have to answer.
自分の質問が私的な内容だったと認め、答えなくてもよいと伝えます。personal は、ここでは「個人的な・私生活に関わる」。撤回したあとに理由を追いかけないことまで含めて練習しましょう。
家庭や転職の事情など、聞きすぎたと気づいた場面に。「私は話したのに」と、同じだけ話すことを相手に要求しないようにします。
意味:ごめん、個人的な質問だったね。答えなくて大丈夫。
相手が Thanks. I'd rather leave it there.(ありがとう。その話はそこまでにしたい)と答えたら、追加の質問をせずに受け止めてください。
短い返事が来ただけなら、嫌われたとも、秘密があるとも決めつけません。自分も軽く話す、その話題のまま負担の小さい話に戻る、深めずに終える。どれも選べます。話が軽いままで終わっても、失敗ではありません。
逆に、相手が大変なことを話してくれたときも、できること以上を約束しないようにしましょう。I'll always be available. は「いつでも対応する」、I'll never tell anyone. は「誰にも絶対に話さない」という約束です。文法的には正しい表現ですが、軽い相づちではありません。
ただ話を聞いたことを伝えたいなら、Thank you for telling me.(話してくれてありがとう)。対応できる範囲を言いたいなら、I can listen for a little while, but I may not have an answer.(少しなら話を聞けるけれど、答えが出せるとは限らない)。本当にできる範囲を選んでください。
気持ちを伝える英語の、意味のずれを直す
I'm boring. と I'm bored.
分類:どちらも文法的には正しいが、意味が違う。I'm boring. は「私は退屈な人間だ・人を退屈させる」。今、自分が退屈していると言いたいなら I'm bored. です。
同じように、I'm interesting. は「私は面白い・興味を引く人だ」。相手の話に興味があるという意味なら、I'm interested in what you're saying. と言えます。元の文が悪いのではなく、表すものが違います。British Councilの -ed / -ing の解説で、気持ちと、その気持ちを起こさせるものの違いを確認できます。
Can we discuss about it?
分類:ここで教える標準的な形では、語のつなぎ方の誤り。「それについて話せる?」という意図は伝わるかもしれませんが、discuss のあとに話題を直接置き、Can we discuss it? とします。Merriam-Websterの「discuss」でも、話題をそのまま続ける形を確認できます。
別の自然な形は Can we talk about it?。こちらでは about が必要です。discuss it と talk about it を、まとまりで覚えましょう。discuss は、軽いおしゃべりより「ある話題を取り上げて話し合う」意図を出したいときにも使えます。
I know exactly how you feel.
分類:文法的には正しく、場面次第。ただし強い理解を表す。「あなたの気持ちがまったくそのとおりに分かる」という言い方です。似た経験への共感として使うことはありますが、事情をほとんど知らない場面では、理解したと言い切りすぎる可能性があります。
相手が「最近、仕事がとても大変」と話した場面なら、That sounds hard.(それは大変そうだね)と受け止める方法もあります。詳しく分からないなら、そのまま聞く。共感を示すために、知っている範囲まで大きく見せる必要はありません。
会話の編集室:質問だけのやり取りを直す
次のやり取りを読んでください。どの質問も文法的には正しいのですが、相手が出した「楽しい理由」が、まだ拾われていません。
A:I started going to a board-game group.
ボードゲームの集まりに行き始めたんだ。
B:How often do you meet?
どのくらいの頻度で集まるの?
A:Every Friday. What I really like is that we learn new games together.
毎週金曜。新しいゲームをみんなで覚えるところが、すごく好きなんだ。
B:How much does it cost?
いくらかかるの?
課題:最後のBの返事を書き換えてください。相手が楽しんでいる点に反応し、自分の関連する経験や好みを一文だけ足して、相手に話を返します。費用を知ること自体は悪くありません。今回は、先に相手が語った意味を受け止める練習です。
練習用の役として「普段は一人で何かを覚える人」を選んでも構いません。実際の会話では、自分に本当に当てはまる内容を使います。声に出してから、回答例を開いてください。
相手の楽しさに反応し、自分も一文話す例を見る
That sounds fun. I usually learn things on my own. What happens when nobody understands a rule?
「楽しそうだね。私は普段、一人で何かを覚えることが多いんだ。誰もルールが分からないときはどうするの?」相手の「一緒に覚える楽しさ」に反応し、自分との違いも出してから、その経験を聞いています。
Aの続き:We work it out together. Nobody has to be the expert.
みんなで考えるんだ。誰かが全部知っている必要はないから。
Bの一例:I like that. Trying something new feels easier when I don't have to know everything.
それ、いいね。最初から何でも知っていなくていいと、新しいことを試しやすく感じるよ。
work it out は「考えて答えを出す」。最後も質問にする必要はありません。二人の考えが一つずつ見える返しになっています。
理解を外したとき:予想にしがみつかない
相手が一人で散歩すると言ったので、あなたは You must feel lonely.(きっと寂しいんだね)と言いました。これは文法の誤りではありませんが、相手の気持ちへの強い推測です。
相手の返事は No, I enjoy the quiet.(いや、静かなのが好きなんだ)。今分かったことを使って、返答してください。
思い込みを直して返す例を見る
Sorry, I assumed too much. It's the quiet you enjoy, then.
「ごめん、決めつけすぎたね。静けさがいいんだね。」assume は「確かめずにそうだと思う」。最初から気持ちが分からないなら、What do you like about walking on your own?(一人で散歩する、どんなところが好き?)など、本人の説明を聞く形にできます。ただし、好きだとまだ言っていない相手には、What's it like for you?(あなたにとっては、どんな感じ?)のように決めつけを減らします。
相手が話したくないとき:深めない選択をする
I'd rather not explain why I moved.(引っ越した理由は説明したくないんだ)と言われました。なぜ説明したくないのかは聞かずに、返してください。
説明を求めずに受け止める例を見る
Of course. You don't need to explain.
「もちろん。説明しなくて大丈夫。」ここで理由を追わないことが課題です。自分が話した量と同じだけ、相手にも話してもらう必要はありません。
覚えた一文を、自分の話に変える
一人で練習するときは、内容が分かる短い英語の会話から、自分も使えそうな一文を選んでください。まず意味を理解し、音声を聞き直してから声に出します。そのあとで、活動や感想を自分の本当の経験に変えて言ってみます。登場人物の人生ごと暗記する必要はありません。
読めるのに口から出ない一文を練習したいときは、対応する字幕付き動画でFunFluenのFluency Gymを使うと、同じ場面で「読む→聞く→話す」の練習を進められます。ここで紹介した自由な会話のやり取りを自動判定する機能ではなく、理解した英語を発話するための練習です。
FunFluenの拡張機能の説明を確認する。リンク先で機能を確認してからインストールできます。このページのロールプレイがそのまま開くわけではなく、使える機能は動画や字幕の対応状況によります。
次は、プロフィールの外を一文だけ
次に週末の話をするときは、何をしたかに、自分には何がよかったのかを一文足してみてください。相手にも聞き、予想と違う答えが来たら、その違いごと受け止めます。
秘密をいくつ知ったかではなく、「この人は、こういう時間が好きなんだ」と一つ分かる。そんな会話を、いつもの話題から始めてみましょう。