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複雑な内容を簡単な英語で説明する方法

難しい内容を英語で説明すると長文になる人へ。核心→小分け→用語の定義→具体例→理解確認の順で、意味を変えずにシンプルな英語へ直す練習法を解説します。

簡単な英語にする時、最初に削るのは情報ではありません。まず核心を一文で出し、残りの論理を一つずつ別の文に分けます。

内容は分かっているのに、英語にした瞬間、whichthatbecause が列車みたいにつながって、自分まで出口を失う。これは「もっと簡単な単語を覚える」だけでは直りません。説明そのものを階段にします。

使うのはこの5段だけです。

  1. CORE:一番大事なことを一文で言う。
  2. CHUNKS:原因・条件・対比などを一つずつ足す。
  3. TERM:必要な専門語だけ残し、すぐ平易に定義する。
  4. EXAMPLE:具体例や比喩を一つ出し、限界も言う。
  5. CHECK:ここまで伝わったか確認してから次へ進む。

ただし、階段を短くする時も、CAUSE(原因) / CONDITION(条件) / CONTRAST(対比) / UNCERTAINTY(不確実性) / EXCEPTION(重要な例外)は勝手に消しません。簡単な英語と、簡単すぎて別の意味になった英語は別物です。

まず比べる:長い英語を「短くする」のではなく「分ける」

Original practice example — dense version

Due to the fact that the approval procedure requires verification by several teams, implementation cannot begin unless all required records have been confirmed as complete.

これは文法ミスではありません。ただ、会話では密度が高い。聞き手は「承認手続き」「複数チーム」「確認」「実施開始」「必要記録」を一文の中で同時に処理しなければなりません。

Original practice example — clearer version

Several teams need to approve the project. The project cannot start until all the required records are complete.

情報を大幅に消したわけではありません。承認が必要という核心と、必要書類がそろうまで開始できないという条件を別の段に置いただけです。

CDCのPlain Language guidanceは、重要なメッセージを先に置き、情報を論理的なまとまりに分け、一文に多くの仕事を詰め込みすぎないことを勧めています。ここではその考え方を、英語学習者の「話す説明」に応用します。

1段目:CORE — 「結局、何の話?」を一文で答える

複雑な内容ほど、最初から全部を説明したくなります。でも聞き手が最初に必要なのは部品一覧ではなく、全体の地図です。

Original practice example

The main idea is simple: the system keeps a backup copy so your work is not stored in only one place.

細かい仕組みを説明する前に、「何をする仕組みなのか」を一文で置いています。The main idea is... は、複雑な説明の入口を作るのに使いやすい表現です。

仕事の仕組み、アプリの機能、学校の制度など、背景知識が違う相手に全体像を先に渡したい時に使えます。

意味:要点はシンプルで、この仕組みはバックアップ用のコピーを保持し、作業データが一か所だけに保存されないようにする。

Practice prompt: あなたがよく知っているサービスを一つ選び、「一番大事なこと」だけを英語一文で説明してください。仕組みの詳細はまだ言いません。

この段階では、「例外も全部」「仕組みも全部」はいったん横へ置きます。捨てるのではありません。順番を待ってもらうだけです。

2段目:CHUNKS — 一文につき、論理の仕事を一つにする

COREの次は、聞き手が必要な論理を一つずつ足します。ここで大事なのは短さそのものではなく、一文が何の仕事をしているか分かることです。

Original practice example

You can cancel before shipment. If the order has already shipped, a different return process applies.

条件を短くしても、if の中身は消していません。「いつでも同じ手続き」という誤解を防ぐためです。

料金、契約、申請、設定など、条件によって結果が変わる説明で特に重要です。

意味:発送前ならキャンセルできる。すでに発送済みなら、別の返品手続きが適用される。

Practice prompt: 「100件までは基本料金。100件を超えると追加料金」という架空ルールを、条件を消さずに2文で説明してください。

つまり、次の5種類は「難しいから削る」対象ではありません。

  • CAUSE:because / so / this happens because...
  • CONDITION:if / unless / only when...
  • CONTRAST:but / however / while...
  • UNCERTAINTY:may / can / is likely to / we are not sure...
  • EXCEPTION:except / in some cases / unless...

UK Cabinet Officeのplain-English guidanceも、plain English は意味を単純化しすぎたり、意味そのものを変えたりすることではないと明示しています。

意味のガードレール:簡単にした結果、主張を強くしない

一番危ないのは、語彙を簡単にしたつもりで確実性まで変えてしまうことです。

Original practice example

This change can reduce some errors.

これを次のように「簡単に」すると:

This change stops errors.

英語は短くなりました。でも意味は強くなっています。前者は「一部のエラーを減らせる可能性」、後者は「エラーを止める」という別の主張です。後者は文法ミスではありません。文法的には正しいが、意味が違う

同じことは条件にも起きます。

If the file is complete, we can review it today.

We can review it today.

にすると、if the file is complete という重要条件が消えます。

「簡単になったか?」の前に、「元と同じことを言っているか?」を確認します。

3段目:TERM — 専門用語は全部追放しなくていい

専門用語を見ると全部やさしい単語に変えたくなりますが、そこにも罠があります。ぴったり同じ意味の平易語がないなら、無理に置き換えず、必要な言葉を残して一文で定義したほうが正確です。

GOV.UKのclear-language guidanceUK Department for Educationのplain-language guidanceはいずれも、専門用語が本当に必要な場合は使える一方、最初に分かりやすく説明することを勧めています。

Original practice example

In this project, “fallback mode” means the basic version we use when the main system is unavailable.

この例の fallback mode は架空プロジェクト内の用語です。用語を消さず、相手が次からその語を理解できるように一度だけ定義しています。

社内用語、製品機能名、授業の専門語など、会話の後半でも何度も使う言葉を導入するときに便利です。

意味:このプロジェクトで「fallback mode」とは、メインシステムが使えない時に使う基本版のこと。

Practice prompt: あなたの仕事・趣味・勉強で使う専門語を一つ選び、語を残したまま X means... で一文定義してください。

CDCのEveryday Words guidanceも、文脈によっては単語一個の置き換えでは足りず、文全体を書き直す必要があること、適切な平易語がない用語は定義して使う選択肢があることを説明しています。

4段目:EXAMPLE — 比喩は「橋」であって「証明」ではない

抽象的な仕組みを具体例にすると理解しやすくなります。ただし、比喩は便利すぎるので、つい本物と同じものとして扱いたくなります。

Original practice example

Think of it like a queue: each request waits for its turn. It’s not exactly the same, but the comparison helps show why some requests take longer.

比喩を出した直後に It’s not exactly the same と限界を付けています。例が説明しやすい部分だけを使い、仕組み全体と同一だとは言っていません。

技術、手続き、抽象的な考え方などを日常的なイメージへつなぐときに使えます。

意味:列のように考えてみてください。各リクエストは順番を待ちます。まったく同じではありませんが、この比較で一部の処理に時間がかかる理由をイメージできます。

Practice prompt: あなたが説明したい仕組みに「道」「箱」「列」などの比喩を一つ作り、最後にその比喩の限界を英語で一文加えてください。

5段目:CHECK — 分からない顔をされたら、同じ一文をゆっくり再放送しない

相手が止まった時は、一段戻ります。同じ長文を音量だけ下げて再生しても、構造は同じです。

使いやすい修復表現:

  • Let me say that more simply. — もっと簡単に言い直します。
  • The important part is this: ... — 大事なのはここです。
  • What I mean is... — 私が言いたいのは…です。
  • That example only explains this part. — その例は、この部分だけを説明しています。
  • Does that part make sense so far? — ここまでは伝わっていますか?

「分かった?」と試験するのではなく、次の層へ進んでよいか確認するイメージです。

よくある修正:短くするだけでは足りない

複雑な説明を簡単にする時の、文法・密度・意味の違い
元の表現分類問題自然な修復
Due to the fact that the process requires verification, implementation cannot commence until approval has been obtained.文法的には正しいが、会話では過度に形式的・密度が高い一文で原因・条件・開始をまとめて処理させる。The process needs to be checked first. We cannot start until it is approved.
This change stops errors.文法的に正しいが、元の意図より意味が強い場合がある「減らせる可能性」を「止める」に変えてしまう。This change can reduce some errors.
We can review it today.文法的に正しいが、重要条件を削除している場合がある「ファイルが完全なら」という条件が消える。If the file is complete, we can review it today.
The device works despite the network is down.文法エラーdespite の後ろにこの形の節をそのまま置けない。The device works even though the network is down.

実践:どちらの「簡単な英語」が意味を守っている?

答えを開く前に、元の内容から CORE を自分で一文作り、その後でA/Bを選んでください。

  1. Original practice prompt: 「利用量が一定の基準を超えた場合だけ追加料金がかかる」という架空ルールを説明する。

    A: There is an extra fee.
    B: There is an extra fee only if your usage goes above the limit.

    答えを見る

    B。守るべきものはCONDITIONです。Aは短いですが「常に追加料金がある」という別の意味になり得ます。

  2. Original practice prompt: 「新しい手順で一部のミスを減らせる可能性がある。ただし全ては防げない」と説明する。

    A: The new process can reduce some mistakes, but it cannot prevent all of them.
    B: The new process prevents mistakes.

    答えを見る

    A。UNCERTAINTYとEXCEPTIONを残しています。Bは簡単ですが、確実性と範囲を変えています。

  3. Original practice prompt: 「二つの方法は似ているが、目的が違う」と説明する。

    A: The two methods are the same.
    B: The two methods are similar, but they are designed for different purposes.

    答えを見る

    B。CONTRASTを残しています。似ていることと同じことは別です。

  4. Original practice prompt: 「問題の原因は一つとは限らない」と説明する。

    A: This can be caused by several different things.
    B: This has one cause.

    答えを見る

    A。元の不確実性と複数可能性を維持しています。

圧縮トレーニング:専門用語入りの長文を5段にする

次の作例を、答えを見る前に自分で直してください。

Original practice example — dense version

Our internal fallback mode, which was introduced to maintain a basic level of service whenever the primary workflow is unavailable, can be activated only after the monitoring system confirms that the normal process cannot continue.

やること:

  1. COREを一文。
  2. CONDITIONを別の一文。
  3. fallback mode を一文で定義。
  4. 必要なら例を一つ。
  5. 理解確認を一つ。
モデルを見る

We have a backup process called “fallback mode.” It gives us a basic way to keep working when the main process is unavailable. We use it only after the monitoring system confirms that the normal process cannot continue. In simple terms, it is our backup route, although the comparison is not exact. Does that part make sense so far?

ここでは単語を子ども向けに変えたのではなく、役割ごとに階段へ分けています。さらに only after という条件も残しています。

最後の口頭課題:60秒で「知っていること」を説明する

あなたが本当に知っている内容を一つ選んでください。仕事の手順、趣味の仕組み、アプリの機能、学校の制度などで十分です。

紙には、文章ではなく次の5つだけを書きます。

  • CORE — 一番大事な一文
  • CAUSE または CONDITION — 一つ
  • TERM — 必要なら一語だけ
  • EXAMPLE — 一つ、限界付き
  • CHECK — 相手への確認一つ

これで45〜60秒話します。二回目は、意味を守ったまま、不要な抽象名詞か入れ子の節を一つ減らしてください。目標は「短くすること」ではなく、相手が一段ずつ登れることです。

手で説明を圧縮できるようになった後は、短い英語を口から出す反復に移れます。FunFluenでは、字幕が使える対応動画で一文ずつ移動したり、難しい一文を繰り返したり、元の音声がある場合に発話練習へつなげたりできます。これは説明の技術的正しさを自動判定する機能ではなく、短い表現を聞いて言う練習を支えるものです。

FunFluenの拡張機能の説明を確認する

簡単な英語は、内容を薄める英語ではない

最初の which–that–because 列車に戻ると、問題は「難しい内容を知っていたこと」ではありません。全部を一度に一文へ乗せようとしたことです。

COREを先に出す。論理をCHUNKSにする。必要なTERMは定義して残す。EXAMPLEには限界を付ける。そしてCHECKしてから次の段へ進む。これなら、英語は簡単になっても、原因・条件・対比・不確実性・例外は残せます。

説明を薄めるのではなく、階段にする。これが、複雑な内容を簡単な英語で伝えるときの中心です。

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