英語で分かりやすい物語を話す構成
英語の物語や体験談が途中で伝わらなくなるときは、「場面・変化・行動・結果」で組み立てよう。短い英語例、時制と接続詞の使い分け、並べ替えと自分の言葉で話す練習を紹介します。
英語で分かりやすく物語を話すには、まず「場面→変化→行動→結果」を短く決め、聞き手が必要な情報を順番に置いてみましょう。英語を一文ずつ磨く前に、話の道筋を作ります。
面白いところまで話したいのに、まだ登場人物の大学時代を説明している。そんなときは、いったん短い形にしてみます。たとえば、待ち合わせの失敗ならこんな話です。
この記事の物語・会話・練習例は、説明のために作ったオリジナルです。
Last Saturday, I went to a café to meet my friend Maya. But when I called her, we realised we were at two cafés with the same name. I sent her my location, and she came over. In the end, we had coffee together.
先週の土曜日、友人のマヤと会うためにカフェへ行きました。でも電話してみると、二人は同じ名前の別々のカフェにいたと分かりました。私が現在地を送ると、マヤがこちらに来てくれました。最後には、一緒にコーヒーを飲めました。
realise は「気づく・分かる」、location は「場所・位置」、ここでの come over は「こちらに来る」。難しい事件ではなくても、誰が何をしようとして、何が起きて、どうなったかが入っています。
まずは四つのコマ:場面・変化・行動・結果
このページでは、短い物語を四つのコマに分ける練習をします。すべての英語の物語がこの順番でなければいけない、というルールではありません。最初の一回を、迷わず最後まで話すための型です。
British Councilの体験談を話す練習でも、背景を示し、出来事を順に話し、時間や理由を表す言葉でつなぐことが勧められています。ここでは、それを自分で組み立てられる小さな形にします。
Original practice example
Last Saturday, I went to a café to meet my friend Maya.
場面:いつ、誰が、どこで、何をしようとしていたのかを置きます。ここでは to meet my friend が「友人に会うために」という目的。カフェにいる理由が、あとで起きる待ち合わせの問題につながります。
旅行や週末の体験談の最初に。毎回すべての情報を入れる必要はありませんが、その先の出来事を理解するのに必要なものは残しましょう。
意味:先週の土曜日、友人のマヤと会うためにカフェへ行きました。
自分の体験なら、いつ・どこへ・何のために行きましたか。一文で言ってください。
Original practice example
But when I called Maya, I realised we were at different cafés.
変化:普通に会えるはずだったのに、別々の場所にいたと分かる。ここが話の動くところです。But は前の流れとの違い、when I called Maya は気づいたタイミングを示します。
思い違いに気づいた話や、予想が変わった体験に。大きなトラブルでなくても、「初めてできた」「意外なものを見つけた」という変化でも構いません。
意味:でもマヤに電話すると、別々のカフェにいると分かりました。
自分の話で、予定どおりではなかったことを一つ選んでください。
Original practice example
We were at different cafés, so I sent Maya my location.
行動:起きたことを受けて、何をしたのかを話します。so は「だから」。単に次の出来事を並べるのではなく、場所が違ったことと現在地を送ったことをつないでいます。
予定の変更、間違いの修正、助けを求めた場面などに。「困った」で止めず、そのあと自分や登場人物がしたことを伝えましょう。
意味:別々のカフェにいたので、マヤに自分の現在地を送りました。
予定どおりでなかったことに対して、あなたは何をしましたか。理由と行動を so でつないでください。
Original practice example
In the end, we had coffee together.
結果:結局どうなったかを置きます。In the end は「最後には・結局」。場所を間違えた二人が、最終的には会えたと分かります。
途中で変化や問題があった体験談の締めくくりに。うまくいかなかった話なら、その結果をそのまま伝えます。成功したことに作り替える必要はありません。
意味:最後には、一緒にコーヒーを飲めました。
自分の話の結果を一文で言ってください。まだ解決していないなら、その状態が結末でも構いません。
背景は「変化が分かる分」だけ残す
待ち合わせの話に情報を一つ足すなら、次のどれが、なぜ二人が会えなかったのかを説明するでしょうか。
A:二つのカフェは同じ名前だった。
B:マヤとは大学で知り合った。
C:カップは青かった。
選んでから、理由を確認してください。
この話で先に残したい情報を見る
今回はAです。同じ名前のカフェが二つあると分かれば、取り違えた理由を説明できます。BやCが文法的に悪いわけではなく、今回の短い話では優先順位が低いだけです。
大学時代の再会が中心の話ならBが必要になるかもしれません。青いカップが手がかりになる物語ならCも重要です。情報は「面白いか」だけでなく、この話を分かるために必要かで選びます。
結果のあとに、感想を足しても構いません。Now I always check the address.(それ以来、いつも住所を確かめています)などです。ただし、毎回大きな教訓を作る必要はありません。コーヒー一杯の待ち合わせが、突然「人生とは何か」まで背負わなくても大丈夫です。
結末を最初に言うかどうかも、目的次第。「こんな失敗をしたんだ」と先に方向を示すことも、順番に話して最後に分かるようにすることもできます。今回は、出来事の順番で一度話せる形を作りましょう。
Thenだけで並べず、時間と理由をつなぐ
Then(それから)は便利です。ただ、出来事が次々起きたことと、なぜそうしたのかは別です。
I called Maya. Then I sent her my location.
マヤに電話しました。それから現在地を送りました。
We were at different cafés, so I sent her my location.
別々のカフェにいたので、現在地を送りました。
分類:どちらも文法的に正しい。示す関係が違います。前者は順番、後者は理由と行動を示しています。相手が「どうして?」と迷う場所には、because(なぜなら)や so(だから)で関係を足してみてください。
出来事は過去形、途中の動作は「していた」
I called Maya. は「マヤに電話した」という出来事。I was waiting for Maya when my phone rang. は「マヤを待っていると、電話が鳴った」。was waiting で進行中の動作を置き、rang でその途中に起きたことを伝えています。
さらに、その時点より前に起きたことを説明するなら、過去完了の had + 過去分詞 が使えます。
When I called Maya, she had already ordered a coffee at the other café.
マヤに電話したとき、マヤはもう別のカフェでコーヒーを注文していました。
注文が先、電話があと。この前後関係を示すための形です。British Councilの「Talking about the past」で、過去形・過去進行形・過去完了の使い分けを確認できます。
短い話に全部の時制を詰め込まなくても大丈夫。まず出来事を順番に言い、時間を戻して説明する必要があるところで、形や時間の言葉を足します。
聞き手が迷ったら、その場で地図を直す
Leo called Ben when he arrived.
レオは、彼が着いたときにベンへ電話した。
分類:文法的には正しいが、前後の文脈によっては「彼」が曖昧。レオが着いたのか、ベンが着いたのか。この一文だけでは迷う可能性があります。
ベンが着いたと言いたいなら、When Ben arrived, Leo called him.。レオが着いたなら、Leo arrived and called Ben. と、必要な場所で名前に戻せます。いつでも代名詞を避けるのではなく、聞き手が取り違えそうなところを直しましょう。
相手に聞き返されたら、最初から全部やり直す必要はありません。Sorry, it was Ben who arrived. Leo was the one who called.(ごめん、到着したのはベンです。電話したのがレオです)と、その点だけ直せます。
時間の順番を飛ばしてしまったなら、Let me go back a moment. This happened before I called Maya.(少し話を戻します。これはマヤに電話する前の出来事です)。go back は、ここでは話の前の時点に戻ることです。
記憶が曖昧な細部は、I don't remember the exact time, but it was before lunch.(正確な時刻は覚えていませんが、昼食の前でした)と分かる範囲で伝えられます。話を整えるために、覚えていない台詞や時刻まで作る必要はありません。
物語の英語:間違いと、場面の違い
I was arrived at the café.
分類:ここで教える標準的な現代英語では、文法の誤り。到着したと言いたいなら I arrived at the café. です。進行中の動作を作るつもりで was を足しても、was arrived にはしません。前の文法解説の過去形と過去進行形を分けて覚えましょう。
I left. と I was leaving.
分類:どちらも文法的に正しいが、描く場面が違う。I left. は「私はその場を離れた」。I was leaving when Maya called. は「その場を離れようとしている・離れる途中に、マヤから電話があった」という場面です。進行形にすれば上級の英語になるのではなく、伝えたい動作の見せ方が変わります。
Let me say a story.
分類:「話を一つ聞かせる」という言い方としては不自然。意図は推測してもらえるかもしれませんが、自然な組み合わせは Let me tell you a story.(話を一つ聞いて)です。Merriam-Websterの「tell」でも、物語を語る意味と tell a story の形を確認できます。say 自体が悪い動詞なのではなく、この意味での語の組み合わせの違いです。
Once upon a time, I went to a café.
分類:文法的には正しいが、話の雰囲気が変わる。Once upon a time は「昔々」。Merriam-Websterの解説では、おとぎ話の始まりに伝統的に使われる表現だと説明されています。
友達への普通の週末の体験談なら、Last Saturday, ...(先週の土曜日に……)のほうが時点を具体的に示せます。わざと昔話の調子で笑わせたいなら、元の文にも使い道があります。「物語だから必ず昔々」とは考えなくて大丈夫です。
組み立て練習:順番を直して、自分の言葉で話す
次は、新しい体験談を組み立てます。まずA〜Dを、出来事が起きた順番に並べてください。
A:I went to the library instead.
代わりに図書館へ行きました。
B:I went to my English class on Tuesday.
火曜日、英語の授業に行きました。
C:I found out that the class was cancelled.
授業が中止だと分かりました。
D:I borrowed a novel and spent the afternoon reading.
小説を借りて、午後は読書をして過ごしました。
さらに、「先生からの連絡を読んでいなかった」という事実を足してください。なぜ知らずに教室へ行ったのかが分かるようにします。「朝食にトーストを食べた」という情報もありますが、今回の短い話に残すか、自分で決めましょう。
順番を決め、英語で一度話してから、回答例を開いてください。元の英文をそのまま暗記する課題ではありません。
順番・理由のつながり・回答例を見る
今回の出来事の順番は B → C → A → D。授業へ行き、中止を知り、別の行動を選び、その結果を話します。
On Tuesday, I went to my English class, but I found out it was cancelled. I hadn't read the teacher's message. So I went to the library instead. I borrowed a novel and spent the afternoon reading.
火曜日、英語の授業に行きましたが、中止だと分かりました。先生からの連絡を読んでいなかったのです。そこで代わりに図書館へ行きました。小説を借りて、午後は読書をして過ごしました。
hadn't read は「その時点まで読んでいなかった」。読み逃していた背景を、あとから説明しています。instead は「代わりに」。トーストの情報は、今回の予定変更を理解するには不要なので省けます。
すべてを時間順にした別の言い方もできます。I didn't read the teacher's message, so I went to class as usual.(先生の連絡を読まなかったので、いつもどおり授業に行きました)。そのあと、中止を知って図書館へ行ったことを続けてください。
次は回答例を閉じ、class → cancellation → library → reading の四つのメモだけを見て、もう一度話しましょう。cancellation は「中止」。聞き手に「なぜ図書館へ行ったの?」「最後にどう過ごしたの?」が伝われば、モデルと同じ言葉でなくても構いません。
British Councilの物語カードを使う授業案にも、出来事を並べ、カードを伏せ、自分の言葉で話し直す活動があります。ここで使った物語は、その教材の台詞ではなく、このページのための練習例です。
短い創作の物語にも、同じ考え方を使う
体験談だけでなく、短い物語を人に話すときも、誰の話で、何が変わり、どうなったかを整理できます。次の設定から、英語で短い物語を話してください。
場面:ミナがクラスのパーティー用に紙のランタンを作った。
変化:学校へ向かう途中、雨でランタンが傷んだ。
行動:ぬれていない部分の紙で星を作り、教室の窓に飾った。
結果:教室には、色とりどりの星の飾りができた。
これは創作の設定です。まずは過去の出来事として、四つの部分がつながるように話してみましょう。
創作の物語を話した例を見る
Mina made a paper lantern for her class party. On her way to school, rain damaged the lantern. She used the dry pieces to make paper stars and put them on the classroom windows. In the end, the classroom was decorated with colourful stars.
ミナはクラスのパーティー用に紙のランタンを作りました。学校へ向かう途中、雨でランタンが傷みました。ミナはぬれていない部分で紙の星を作り、教室の窓に飾りました。最後には、教室が色とりどりの星で飾られました。
damage は「傷める」、decorate は「飾る」。最初の計画とは違っても、材料を使い直した行動と、その結果がつながっています。
なお、物語の紹介やあらすじは、現在形で話すこともできます。たとえば Mina makes a paper lantern, but rain damages it. She turns the dry pieces into paper stars.(ミナは紙のランタンを作りますが、雨で傷んでしまいます。そこで、ぬれていない部分を紙の星に作り替えます)。
British Councilの「Present simple」でも、物語を語る場面や、本・映画・劇のあらすじで現在形を使うことが説明されています。すべてを過去形に直す必要はありません。練習では、まず過去の出来事として話すのか、現在形で紹介するのかを決め、意図せず行き来していないかを見てみましょう。
動画を見たら、台詞ではなく道筋を話す
次は、内容を理解できる短い英語の場面で試してください。見終えたら、全文を書き写すのではなく、「場面・変化・行動・結果」を短くメモします。そのメモだけで、自分の言葉で話してみましょう。
「なぜその行動をしたのか」が説明できないなら、原因を示す台詞を聞き逃したのかもしれません。該当するところを前後と一緒に確認します。分からない部分は筋が通るように作り足さず、分かった事実と自分の推測を分けてください。
対応する字幕付き動画なら、FunFluenの文単位の移動を使って、変化や理由が分かる台詞を聞き直せます。道筋を自分で確かめるための補助で、話の構成を自動採点する機能という意味ではありません。
FunFluenの拡張機能の説明を確認する。リンク先で機能を確認してからインストールできます。この物語の練習がそのまま開くわけではなく、使える機能は動画や字幕の対応状況によります。
次に話す前に、結末まで一度たどろう
最近の小さな出来事を一つ選び、四つのコマを短いメモにしてみてください。完璧な英文を先に書くのではなく、どこから話し始め、何が変わり、最後にどうなったかを確認します。
話し終えたとき、相手に「何が起きて、どうなったか」が残る。まずはそこを目指しましょう。覚えていることを全部渡すより、聞き手が最後までたどれる道筋を渡すのです。